あのね仙台牛

Vol.2

みやぎ総合家畜市場の
競りに行ってきました!
(後編)

活気にあふれる競り会場

「みやぎ総合家畜市場」では、毎月、県内各地で育てられた子牛を一堂に集め、競りを開催します。競りの日は、買い付けに来た全国の肥育農家や地域ごとにお揃いのユニホームを身につけた繁殖農家が勢揃いし、いつもとは違う熱気にあふれています。駐車場にはキッチンカーも出店。情報交換をする人たちや競りが終わってホッと一息する人で賑わっていました。
「仙台牛」が盛んな地域といえば、エサのワラが豊富に入手できる米どころの県北エリアですが、最近では県南エリアや沿岸エリアでも「仙台牛」が生産されるようになりました。宮城が誇る「仙台牛」を地域全体で盛り上げていこうという思いを強く感じます。

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「仙台牛」の文字のユニホームが目をひきます。
競りは生産者の情報収集の場

現在では毎月約1,200頭の子牛が競りに出品される「みやぎ総合家畜市場」ですが、今から100年以上前の大正5(1916)年に開かれた時は、出品された牛はわずか5〜6頭。それでも牛肉を食べる人たちが増えていくと、市場の規模や開催場所も増え、県内各地に市場が増えていきました。何度かの移転を経て、平成11(1999)年、県内13ヶ所でバラバラに開催されていた家畜市場を1ヶ所にまとめ、現在の形になりました。
 中心となる場所ができたことで、出品する牛の数や価格も安定して取引ができるようになりました。そして、どんな牛が高い評価をもらっているのかを知ることで、「もっと良い牛を育てよう!」という生産者同士の刺激となって、「仙台牛」全体の質の向上につながったのです。

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これから競りに出る子牛を見ながら真剣な表情で情報交換。
仙台牛の血統を守る「トップ10」

上質な肉質を誇る「仙台牛」を育てるには、繁殖農家と肥育農家の愛情いっぱいの飼養がとても大切なのですが、もうひとつ重要なポイントがあります。
それは「血統」です。競り会場で買い手が真剣に見つめていた「子牛市場名簿」にも、母牛や父牛、母の父牛などの血統が書かれています。よく見ると父牛や祖父牛の欄に「茂洋」や「茂福久」「安百合幸」など同じ名前をみかけます。国内最高級である「仙台牛」の血統を守っていくために、宮城県では地域の生産者と連携しながら、繁殖の中心となる優秀な雄牛を選抜。計画的に繁殖させているのです。
中でも「茂福久」は、ロース芯面積の大きさでは県内歴代1位の成績。しかも全国の一流の種雄牛たちの能力を評価する検定で「霜降りのバランスの良さ(度合い)」でみごと日本一に輝きました!これは、お父さん牛で名牛といわれる「茂洋」が残した成績を塗り替える偉業です。
現在、宮城県には選抜を勝ち抜いた雄牛が10頭(茂洋美号、洋糸波号、茂福久号、平勝美号、皐月彰号、好久勝号、安百合幸号、勝美桜1号、勝秀好号、昭光茂号)います。彼らがどんな素晴らしい成績を残していくのかとても楽しみですね。

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宮城県が誇る種雄牛たち。