インタビュー
「仙台牛レボリューションズ」
鈴木さんにお話を聞きました
「仙台牛レボリューションズ」は、「仙台牛の価値を高めて、未来につないでいこう!」と50歳以下の若手生産者が中心となって活動しているチーム。県内や首都圏でPR活動をしたり、肉牛の大会を開催したりと様々な活動を行っています。その中で中心的な役割を果たしているのが鈴木佑哉さんです。
「メンバーは情報交換する仲間であると同時に手強いライバル。お互いに『誰にも負けない、仙台牛を育てる!』と切磋琢磨していますね」と鈴木さん。「仙台牛レボリューションズ」は現在98名。身近に競い合う仲間がいることで、若手はもちろん、生産者全体にも良い刺激を与え、仙台牛の品質の向上につながっています。
祖父から三代にわたって仙台牛を育てている鈴木さん。農場では「雌牛」にこだわって120頭を飼養しています。「おいしさでは誰にも負けない」とご本人が宣言する通り、鈴木さんが育てる牛は大会で何度もチャンピオンに輝いています。
「牛は『ここが痛い』『具合が悪い』と口に出して伝えられないでしょ。今日調子いいと思っていても、次の日突然、餌を食べなくなったりする。人間が気づいてあげないといけないので、毎日気が抜けません。そうやって大事に育てた牛がチャンピオンを取ったり、高値をつけてもらったり評価されると頑張ってよかったとしみじみ思います」
鈴木さんには「仙台牛レボリューションズ」以外にも、仲卸業や小売店、飲食店など分野を超えた交流もあります。
「そういった方たちは生産現場のことも、お客様のニーズもよく知っているから、鋭い指摘をもらうこともあります。プレッシャーも感じるけれど勉強になることも多く、1頭1頭最高の肉質に仕上げようという原動力になっていますね」
中には店舗や農場を行き来し、厚い信頼をおく精肉店もあるそうです。
「まさにSDGsを体現している肉屋さんで、牛肉の部位それぞれの持ち味を活かして無駄なく魅力的な商品にしてくれるんです。もちろん味も最高で行列ができるほど。生産者のこともお客さんに紹介してくれるなど本当にありがたい存在です」生産者の思いをお客様へ、お客様の声を生産者へと橋渡ししてくれる、こうしたパートナーがいるからこそ鈴木さんはチャレンジ精神が湧いてくるとも話していました。
先人から受け継ぎ、鈴木さん自身も磨き上げてきた仙台牛ブランドの未来についても考え始めているといいます。
「チャンピオン牛を育てることも喜びですが、下の世代に仙台牛の奥深さや自分の経験を話していて、『仙台牛ってすごい!』って言ってもらえると別な喜びを感じます。若い世代に仙台牛の魅力をもっと知ってほしいし、技術を引き継いでいってほしいと思うようになりました。だから市場や講習に来る農業高校の生徒にも積極的に声をかけて話すようにしています。自分にも経験がありますが、プロの話はいつも発見があったし、チャレンジ精神をかきたててくれるんだよね」県内の農業高校では肉牛を専攻する生徒たちが全国大会に出場し活躍し始めています。近い将来、次世代の「仙台牛レボリューションズ」を、鈴木さんに憧れた子どもたちが引っ張っていってくれるかもしれませんね。