福島牛担い手「牛友会」が
農場視察にやってきた!
6月29日、福島牛担い手「牛友会」が仙台市を訪れ、若手生産者チーム「仙台牛レボリューションズ」のメンバーとの交流会を開催し、翌30日には「仙台牛レボリューションズ」メンバーである菅生亮太さんの農場「ライフルファーム菅生」を視察しました。
隣県ということもあり、「仙台牛レボリューションズ」と「牛友会」は、以前から交互に農場を視察したり、交流会を開くなど親交を深めてきました。「牛友会」メンバーが宮城の市場で子牛を購入することも多く、ライバルであり、同じ東北でブランド牛を育てる仲間。SDGsNo.17のパートナーシップを発揮し、仙台牛と福島牛、それぞれの魅力アップに取り組んできました。
今回はコロナ禍を乗り越え、久しぶりに行われた視察の様子をリポートします!
宮城県川崎町にある「ライフルファーム菅生」は、肥育牛約200頭、繁殖牛20頭を飼養する一貫農家です。仙台牛の血統を守るために欠かせない、種雄牛候補の「後代検定*」にも協力されています。菅生さんが案内してくれたのは肥育牛の牛舎。視察一行が近づくと、牛たちがまるであいさつをするかのように、次々近づいてきます。
「みんなよく馴れているなー。知らない人が近づいてこんなにもみんな穏やかで、親しげに顔を寄せてくるのは普段からストレスのない、良い環境を整えている証拠だね。だから優秀な仙台牛が育つんですね」と驚きの声を上げたのは「牛友会」の会長で、南相馬市で福島牛を育てる門馬昌憲さんです。
*後代検定は、種雄牛候補の子牛を数ヶ所の農家などで育て、肉質など遺伝的能力を判定する方法です。
「私自身、雑然としている環境が嫌いなので、牛舎をいつでもスッキリ、キレイにしておきたいというのはあります。それに、牛って意外に牛同士の上下関係を気にするんです。寝る場所の配置や餌をあげる順番を変えちゃうとストレスになるので、そこは気を使いますね」と菅生さん。衛生管理を徹底するだけでなく、個々の相性にまで配慮しているとは!穏やかさの陰にはきめ細やかな気遣いがあったのですね。まさにNo.12「つくる責任つかう責任」の考え方ともつながっています。
「病気やケガなどのリスクを減らすには、1頭1頭の表情や体調をよく観察することが大事。手をかければかけただけ、健康に育って、私たちの期待に応えてくれます。毎日頑張れるのはそういう牛たちへの恩返しの気持ちが強いですね」。日々の世話やコミュニケーションを通して、菅生さんと牛たちの間にはしっかりと信頼感が育まれ、それがNo.8の働きがい、モチベーションの素となっていました。
「市場などで情報交換する機会もありますが、実際に農場に来て見て、話すと学ぶことが多いです。突っ込んだ質問にも丁寧に答えてくださって感謝しています。福島牛も仙台牛に追いつき、追い越せるよう頑張ります!」と視察の感想を嬉しそうに話すのは「牛友会」の佐藤智英さん。
交流を深める中で新しい目標も生まれました。
それは、日本一の食肉市場である東京中央卸売市場食肉市場で、福島牛と仙台牛に、いわて牛も加えての共励会を開催すること。震災からの復興を支援してくださった多くの方への感謝を伝え、進化する東北の肉牛の魅力を広められたら嬉しいですね。実現できるように、三県で切磋琢磨と交流を重ね、さらにおいしい仙台牛、福島牛、いわて牛の提供を目指しますので、みなさん、お楽しみに!