仙台牛とは

仙台牛の定義

  • 一、 黒毛和種であること。
  • 一、 仙台牛生産登録農家が個体に合った適正管理を行い、
    宮城県内で肥育された肉牛であること。
  • 一、 本協議会が認めた市場並びに共進会等に出品されたもの。
  • 一、(公社) 日本食肉格付協会枝肉取引規格が、A5またはB5に評価されたもの。

宮城県では、年間およそ20,000頭が食肉として出荷されていますが、うち仙台牛の名で出荷されるものは、そのおよそ4割です。
霜降りと赤身のバランス、きめの細かさなど厳しい基準をクリアし、最高ランクに格付けされた牛肉だけが「仙台牛」の称号を得ることができます。

仙台牛の歴史

「仙台牛」の歴史は、昭和6年宮城県畜産試験場が、肉質の向上を図るために兵庫県から種牛を導入し牛の改良を手がけたことから始まります。
昭和49年兵庫県から導入した、「茂重波号(しげしげなみごう)」という大変優れた種牛の導入によって、最高級品質の牛肉を作りだすことに成功し、現在の「仙台牛」の基礎が築かれました。

「仙台牛」の生みの親「茂重波号」

「茂重波号」は、兵庫県の名牛といわれた「茂金波号(しげかねなみごう)」の産子で、兄弟種雄牛も百数十頭を数え、全国各地で活躍したといわれています。現在出回っている「仙台牛」のほとんどがこの「茂重波号」の血統を引く息牛(そくぎゅう)です。肥育方法の試行錯誤の末、現在の高品質の「仙台牛」が確立されました。
「茂重波号」が「仙台牛」の生みの親といっても過言ではありません。

美しさの秘密

「仙台牛」の食味は、口当たりが良くやわらかで、まろやかな風味と豊かな肉汁が特徴です。
脂肪と赤身の絶妙なバランスから生まれるその上質な食味は、ふるさと宮城の自然によって育まれています。

  • 良質な水と稲わら

    宮城は全国有数の米どころです。
    仙台牛は、その清らかな水で育ったササニシキやひとめぼれなどの稲わらを贅沢に食べて育ちます。
    ふるさとの豊かな自然の恵みをからだいっぱいに吸収することで「仙台牛」の美味しさは作られています。

  • 丹精込めた肥育

    仙台牛はおよそ3年をかけて丁寧に育てられます。
    また、宮城は子牛の産地であることから、牛は生まれたときから宮城の空気の中でのびのびと成長していきます。
    そのため、肉質にぶれが少なく、格付けのもと5等級という一定の規格を保った美味しい「仙台牛」を育て続けていくことができるのです。

仙台牛の格付け

仙台牛は、(公社)日本食肉格付協会が行う「枝肉取引規格」という日本全国共通の基準に基づいたランク付けで「A5」「B5」と評されたものだけを示します。「枝肉取引規格」とは、取り引きの際の評価・品質を客観的に評価するもので、適正価格での取り引きや安定した価格形成のための重要な基準です。

「歩留等級」と「肉質等級」

核付けは「歩留(ぶどまり)等級」と「肉質等級」の総合評価で行われます。

  • 歩留等級

    A~C評価

    骨のついた肉から骨や余分な脂などを取り除き、肉にした時の肉の割合のことで、歩留まりが良いほど肉(赤身)が多く、生産効率が良いとされます。

  • 肉質等級

    1~5評価

    『霜降の度合』を中心に、『肉の色』、『肉のキメや締まり』、『脂肪の色沢・光沢』の4種類について総合的に評価します。

A5、B5と評価されたものだけが「仙台牛」とされます。
仙台牛と同じ育て方をしながらも、C5~B3と評価されたものは「仙台黒毛和牛」と称されますが、霜降りは劣るものの味はひけをとりません。