食肉の豆知識

牛の品種

肉として私たちが食卓で食べる牛には様々な種類があり、肉用種と乳用(にゅうよう)種に分けられます。

肉用種

  • 黒毛和種

    我が国の肉専用種の約86%を占め和牛の主体となっており、肉質の良さに定評がある。毛色はやや褐色を帯びた黒で、日本で古来から飼養されている牛に、明治時代になって外国産の肉牛と交配させ改良され今日に至っている。

  • 褐毛和種

    韓国牛に外来種の牛を交配させ改良された品種。熊本県や高知県で多く飼養されている。毛色は明るい赤褐色で「あか牛」「褐毛牛」とも愛称されている。黒毛和種より肉質はやや劣るが増体性に富み、放牧に適している。

  • 無角和種

    山口県で和牛に外国産牛を交配して作られた角の無い品種。毛色は黒毛和種より濃い黒色である。早熟で飼料の利用性に優れ増体能力が高いが、皮下脂肪が厚くなる傾向があるなど肉質は黒毛和種よりやや劣る。

  • 日本短角種

    東北地方の在来種に外国産牛を交配し改良した品種で、北東北や北海道で多く飼養されている。毛色は赤褐色で濃淡があり、粕毛や白斑の牛もいる。放牧適性があり、粗飼育の利用性も高いが肉質は黒毛和種よりやや劣る。

  • アンガス種
    (アバディーンアンガス種)

    英国スコットランドで土産牛にアンガス州とアバディーン州の2つの系統を計画的に交配して改良された品種でアメリカをはじめ世界中で飼養されている。毛色は黒毛で無角。外国種の中では脂肪交雑形質に優れ粗飼料の利用性に優れている。

  • ヘレフォード種

    英国ヘレフォード州原産。世界3大肉用種と称され、全世界で飼養されている。毛色は赤褐色だが顔面~胸・腹にかけて白色である。性質は温順で耐寒性に優れ、粗飼料の利用性が良く、早熟・早肥である反面、皮下脂肪が厚くなりやすい。

乳用種

  • ホルスタイン

    ヨーロッパ各地で乳肉兼用として飼育されていたが独国ホルスタイン州から米国へ輸出され乳専用種として改良されたため、「ホルスタイン」と呼ばれるようになった。主に雄子牛が肉用となり、毛色はほとんどが白黒斑である。

  • ジャージー

    ホルスタイン程ではないが世界中で飼養されており、乳質は濃厚で乳は脂肪球が大きくバターを作りやすい。ホルスタインより乳量は少なめであるが持続性が高い。以上のことから乳製品を多量に生産している国で最重要品種とされている。