食肉がわかるQ&A
Q.食肉に含まれるたんぱく質の特徴は?
食肉のたんぱく質は必須アミノ酸をバランスよく豊かに含み、調理による損失もほとんどありません
戦後、日本人の寿命が延びたのは動物性食品の摂取増と大いに関連し、特に食肉などの動物性たんぱく質の摂取増加が脳卒中を激減させたといわれています。脳卒中などの脳血管疾患は、高血圧と深く関連します。高血圧は遺伝的素因に加え、食塩の摂取過剰と深くかかわりますが、たんぱく質にはナトリウムを素早く体外に排出する働きがあります。
特に食肉に多いメチオニンや魚や内臓に多いタウリンなどの含硫アミノ酸は血圧降下作用があり、脳卒中を減らす効果があることが確認されています。また、タウリンにはコレステロールを胆汁酸の形で排泄する作用があり、動脈硬化の予防にも役立ちます。動物性たんぱく質を食べる地域では血圧も安定し、心筋梗塞が少ないといわれています。
動物性たんぱく質は免疫力を高めますが、中でもリンパ球のNK細胞は、がん細胞やウイルスに感染した細胞を排除し、特にがんの転移を抑制する働きがあると注目されています。しかも、食肉のたんぱく質は、豆や魚介類、卵、牛乳などのたんぱく質と比べ、NK 細胞をより活性化すると報告されています。
食肉のたんぱく質には抗疲労作用もあるとされます。たんぱく質の種類をさまざまに変えた餌をマウスに与え、強制的に泳がせるという実験では、食肉のたんぱく質を添加した餌の群が一番バテずに長く泳ぐことができました。日頃、肉を食べるとスタミナが付くと感じることが、マウスの実験で証明されたといえます。
たんぱく質の栄養価は必須アミノ酸のバランスと量に規定されます。必須アミノ酸の量が少なかったり、バランスが悪いたんぱく質をいくら食べても、体内の化学反応に不可欠な酵素やホルモン、免疫機能などに十分利用されず、単にエネルギー源として使われ、尿中に排泄されがちといわれます。その点、食肉のたんぱく質は必須アミノ酸をバランスよく豊かに含み、調理による損失もほとんどありません。しかも体内での吸収率が植物性たんぱく質の84%に比べ、食肉など動物性たんぱく質は97%と非常に優れています。
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