食肉の豆知識

食肉がわかるQ&A

Q.コレステロールは体に不要なものなの?

全く逆です。体に不可欠なものです

医学生理学の本には、「コレステロールは体に60兆ある細胞膜の一部であり、必須の物質である」、「1000億ある脳神経はコレステロールが取り巻いて漏電を防いでいる。脳細胞の60%はコレステロールである」、「男性ホルモン、女性ホルモン、副腎皮質ホルモン、胆汁、ビタミンDなどはコレステロールからつくられている。体内のコレステロールが不足すると必要なものがつくられなくなる」と書かれており、コレステロールは体に必須の物質です。

コレステロールは、食事から2割、肝臓で8割つくられています。従って、食事からの摂取量を3倍にすると、一時的に血中コレステロール濃度が高まりますが、肝臓が半分休憩できるため、しばらくすると元の値に戻ります。コレステロールにはLDL コレステロールとHDL コレステロールがあります。LDL とかHDL はコレステロールの入れ物に付けられた名前です。

LDL は、食事で摂取されたり肝臓でつくられたコレステロールを、必要とする細胞に運ぶ唯一の入れ物なのです。LDL コレステロールが悪玉といわれていた時代がありましたが、とんでもない間違いです。LDL が不足すると、コレステロールは必要とする組織に届かなくなります。なお、HDL は善玉と呼ばれていましたが、古くなった細胞に含まれるコレステロールを回収する入れ物です。

コレステロール低下薬の副作用や極端なダイエットによる低コレステロールの影響として、肝機能障害や皮膚障害に加えて、筋肉痛や横紋筋融解(筋肉細胞の破壊)、睡眠障害やうつ(脳の障害)、女性の生理不順(ホルモン不足)、感染症やがんの増加(免疫不全)が報告されています。