食肉の豆知識

食肉がわかるQ&A

Q.コレステロールは体に悪いって本当?

いいえ、コレステロールが体に悪いという仮説は誤っていることがほぼ確定しました

血中コレステロール値が高いと心筋梗塞や脳卒中になる(コレステロール仮説)かどうかは、100年間論争が続いてきましたが、最近の研究でコレステロール仮説は誤っていることがほぼ確定しました。この仮説の歴史は次のとおりです。

● 19世紀末頃:動脈硬化を起こした血管にコレステロールの存在することが知られました。

● 1913年:ロシア人研究者ニコライ・アニチコフが、ウサギにコレステロール豊富な脂肪食を大量に与えると動脈壁に粥じゅく状じょう動脈硬化*7が起こる実験モデルをつくりました。

● 1988年、1994年、2002年、2004年:米国国立健康研究所(NIH)が、コレステロール値が高いとその後10年間での心筋梗塞発症率が高くなるとの研究結果に基づいて、コレステロール低下治療ガイドラインを次々に発表しました。

● 1995~ 2004年に発表されたコレステロール低下薬スタチンの無作為化対照比較試験(RCT)*8では、LDL コレステロールを下げると心血管系イベントが減少すると報告されました。このため、LDLコレステロールは悪玉コレステロールという汚名を着せられました。

*7 粥状動脈硬化:お粥状の固まりができる状態で、アテロームといわれています。

*8 無作為化対照比較試験(RCT):対象者をくじ引きで2群に分けて、一方には試験薬を、もう一方には偽薬(プラセボ)を飲んでもらい、病気の発生率や死亡率を比較する試験のことです。薬の効果を調べるには最も正確とされています。