食肉の豆知識

食肉がわかるQ&A

Q.コレステロール値はできるだけ低いほうがいいって本当?

日本人では、コレステロール値の高い人が元気で長生きです

コレステロール仮説が信じられていた頃に、コレステロールは低いほうがいいと思われていました。この頃でも、コレステロール値が低い人では、がんや肺炎での死亡率が上昇することが知られていました。欧米人の死亡原因のトップは心筋梗塞なので、低コレステロールは余り問題にされなかったのです。しかし、日本での死亡原因のトップはがんです。また、高齢者では肺炎による死亡がかなりの率になっています。

各都市住民の追跡調査では、コレステロール値の低い群が死亡率が高く、特にがん、呼吸器系感染症、うつや自殺による死亡率が上昇しています。日本人の心筋梗塞による死亡率は欧米の3分の1以下ということもあり、コレステロールが高くても死亡率の上昇はみられていません(伊勢原市、郡山市、茨城県、守口市、八尾市、福井市など)。

欧米人でも、高齢者ではコレステロール値と死亡率の関係は見られなくなります。高コレステロール群で死亡率を上げていた主原因は家族性高コレステロール血症という遺伝病なのですが、この人たちは比較的早く亡くなるために、高齢者群ではこの人たちの比率が下がるためであることがわかってきました。日本のように心筋梗塞が少なく、高齢化社会では、コレステロール値が高い人のほうが元気で長生きなのです。